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皆様、こんにちは。アセンダントの山中です。このコンテンツはこれまで実施したMT4セミナーの内容をウェブコンテンツ用に加筆修正したものとなります。
Forex.comのMT4セミナーは2010年4月のテクニカルセミナーを第1回目に毎月実施してきましたが、初期のセミナーはオンディマンドでも見ることが出来ませんし、最近になってセミナーに参加された方の中には、過去のセミナー内容がどのようなものだったのか興味を持ってくださる方もいらっしゃいます。
そこで、初級者の方がMT4を使う際にリファレンスになるというコンセプトで、実際の取引画面も使いながら過去のセミナー内容を再現することにしました。皆様がMT4を使う際の一助になれば幸いです。
- 1.移動平均線
- 2.一目均衡表
- 3.平均足
- 4.オシレータ系指標
- 5.ビル・ウィリアムズの指標群
なお、初心者の方向けの動画セミナー「Forex.com MT4セミナー(前編・後編)」、VTトレーダーを使っていた方向けのコンテンツ「VTトレーダーとメタトレーダーのシステムの違い」もありますので、MT4が初めての方は、まずそちらをご覧ください。
よく「移動平均線」と言いますが、シンプルなチャートツールでは終値をベースに、単純移動平均で計算したものを移動平均線と呼んでいます。しかし、MT4のように高機能なツールでは移動平均線と一言で言うことは出来ません。この例では、「終値単純移動平均線」と呼ぶのが適当です。
最初に次のチャートをご覧ください。このチャートはドル円の4時間足に10期間の移動平均線が4本引かれています。

4本の移動平均線は、四本値の各レートをベースに計算したもので、赤が終値、青が始値、黄色が高値、黄緑が安値です。計算は単純移動平均ですから、青い線でしたら10期間始値単純移動平均線ということになります。
MT4では移動平均線のプロパティの適用価格のプルダウンメニューを見るとわかりますが、四本値の各レート以外にも様々なレートをベースに計算することが可能です。

Close =終値、Open =始値、High =高値、Low =安値、は見てすぐわかると思いますが、
Median =高値と安値の中間値(=いわゆる半値)
Typical =高値、安値、終値の平均値(=ピボット・レート)
Weighted =高値、安値、終値×2の平均値
そといったレートが標準で備わっています。
その下にある直前のテクニカル指標の値(Previous Indicator’s Data)、最初のテクニカル指標の値(First Indicator’s Data)というのがありますが、これらはテクニカル指標の移動平均を計算させる場合に使うものです。
実際の利用例として、ユーロ円の1時間足に5期間始値単純移動平均線と5期間終値単純移動平均線を表示させてみましょう。

短期線と長期線でなくても、同じ期間の終値と始値を使った移動平均線のクロスも興味深いですね。ゴールデン・クロスは、終値移動平均線(赤)が始値移動平均線(青)を上抜けた場合、デッド・クロスは、終値移動平均線(赤)が始値移動平均線(青)を下抜けた場合となります。
ローソク足で考えるとわかりやすいと思いますが、典型的な上昇相場では終値>始値が何日も続くことになりますし、典型的な下降相場では終値<始値が何日も続くことになりますので、移動平均で均すことでトレンドをわかりやすくしているわけです。
先ほどのプロパティ画面を見ると、表示移動というパラメータを指定できます。通常は「0」ですが、移動平均線を一目均衡表の先行スパンのように、先行表示させたい場合、ここに期間を入れます。一例として、先ほどのユーロ円チャートの始値移動平均線(青)を終値移動平均線に変更し、1期間先行させてみましょう。

よほどよく見ないと、どこが変わったのかわからないですね。一番右端で青い移動平均線が1本先行していることしかわからないかもしれません。FXの場合、24時間取引で終値=次の始値が連続しますので、週明け月曜の始値以外は「終値=次の始値」となるため、このような結果となるわけです。この同期間の終値単純移動平均線と先行移動平均線(Displaced Moving Average)のクロスもよく使われる手法です。
先行移動平均線ではディナポリの3×3(3期間の移動平均線を3期間先行させる)、7×5(7期間の移動平均線を5期間先行させる)、25×5(25期間の移動平均線を5期間先行させる)という先行移動平均線も有名ですね。
次に移動平均の種別のプロパティを見てみましょう。このプルダウンメニューからは、以下のような計算方法を選択することが出来ます。
Simple = 単純移動平均(SMA)
Exponential = 指数平滑移動平均(EMA)
Smoothed = EMAの平滑化定数を変えただけで、あまり一般的ではない。EMAで代用可能。
Linear Weighted = 加重移動平均(WMA)
上記のとおりですが、Smoothedの場合、EMAで通常使われる平滑化定数=2/(n+1)が、単に1/nとなっているだけです。仮にSmoothed でn=10の時、平滑化定数は1/10となりますが、一般的なEMAでこの平滑化定数1/10を表現するならば、1/10 = 2/20、つまりn=19で代用可能なわけです。そこで、ここではあまり一般的ではないSmoothedを省いて、同じ期間のSMA、EMA、WMAの違いを見てみましょう。
ポンド円1時間足に10期間の移動平均線を表示してみます。ここではレートをTypical(ピボット・レート)とし、SMAを赤、EMAを緑、WMAを青で表示してあります。このチャートではWMAの追従性がなかなかよいことがわかります。

MT4では移動平均線を表示する本数に制限はありませんので、GMMA(Guppy Multiple Moving Average)のように12本のEMAも簡単に表示できます。こうした多数の指標を使う場合にはテンプレートとして保存しておくと、その後の利用が楽になります。

上図は、ドル円週足にGMMAを重ねたものです。
GMMAは青い6本のEMAが3, 5, 8, 10, 12, 15期間で短期トレーダーの動きを、赤い6本のEMAが30, 35, 40, 45, 50, 60期間で長期トレーダーの動きを表します。トレンドのあるマーケットで流れに乗ることを目的とした複数移動平均線ですが、主な見方としては以下のようなポイントがあげられます。
- (1) 赤い線のグループ=長期トレーダーが平行に推移している間のトレンドは強い。
- (2) 青い線のグループ=短期トレーダーの拡散は、短期トレンド変化の兆し(行き過ぎ)。
- (3) 2つのグループ間の距離でトレンドの強さを知る。
- (4) 青い線のグループが赤い線のグループに近づく、あるいは、交差し始めても抜けない場合は、
その方向へのリエントリーのチャンスとなる。 - (5) 1つのグループが収束する時は、そのグループにおけるもみあいを示し、
2つのグループが同時に収束する場合は、トレンド変化の兆し。
上のドル円週足を見ると、(1) 長期にわたるドル安・円高のトレンドの中で、短期的な行き過ぎとリエントリーを繰り返しながら(2, 4)、2011年2月下旬現在、長期トレーダーは依然ドル安を見ており、短期トレーダーはもみあい(5)となっている様子がわかります。
一目均衡表は、日本発のテクニカル分析手法として世界的にも有名なもので、MT4の標準テクニカル分析ツールとしても採用されています。分類がオシレータの項目に含まれているのはご愛嬌ですが、海外で多く使われているMT4にも採用されている点を取っても多くの人に使われている分析手法であることがわかります。
一目均衡表の例としてドル円1時間足のチャートをご覧ください。

ここでは、デフォルトの一目均衡表の色を変え、さらに遅行スパンを表示せず、別途、移動平均線を使って遅行スパンの表示をさせています。色は、転換線が青、基準線が赤、先行スパンAが黄緑、先行スパンBが緑となっています。先行スパンが全て表示されるように、チャート枠上側にある小さな▼のマークを左側に移動させています。
デフォルトの遅行スパンを表示させない理由は、デフォルトのままでは遅行スパンを先行させることが出来ないためです。個人的には遅行スパンを見る際にも先行させ、「先行遅行スパン」として見ていますが、これは後ほど説明させていただきます。
まず、均衡表各線について簡単に説明しておきましょう。
| 転換線 | =(9期間高値+9期間安値)/2 | |
| 基準線 | =(26期間高値+26期間安値)/2 | |
| 先行スパンA | =(転換線+基準線)/2 | ただし、26期間先行させる (*) |
| 先行スパンB | =(52期間高値+52期間安値)/2 | ただし、26期間先行させる (*) |
| 遅行スパン | = 終値 | ただし、26期間遅行させる (*) |
(*) 先行させる場合も、遅行させる場合も、全てその足を含めて数えるため、均衡表でいう26期間の先行、遅行は一般的な数え方では25期間ということになることに注意。
これら各線を通常は以下の3つのグループに分けます。
[1] 転換線と基準線
一つ目は転換線と基準線です。転換線と基準線は2本の移動平均線と同じような見方をします、移動平均線でいうゴールデン・クロスを均衡表では好転と呼び、デッド・クロスを逆転と呼びます。期間の短い転換線が短期移動平均線の役割を、期間の長い基準線が長期移動平均線の役割を持っていると思えば間違いありません。
つまり、転換線と基準線の好転(転換線>基準線)が買いシグナル、転換線と基準線の逆転(転換線<基準線)が売りシグナルとなります。また、この転換線と基準線の好転、逆転に先んじて、終値と基準線の好転、逆転が2期間以内に起きている場合、その転換線と基準線の好転、逆転は強いシグナルであると考えられます。先ほどのチャート例では、終値と基準線の好転と同時に転換線と基準線の好転が起きています。いっぽう、その後の逆転時は、終値と基準線の逆転が起きてから6期間後に転換線と基準線の逆転が起きています。実際の値動きはどちらもあまり強い動きとはなっていませんが、一応気にしておいてください。
また、転換線を短期のサポート、レジスタンスに。基準線を中期のサポートレジスタンスとして見ることもできますし、基準線の傾きをトレンドとして考えることも出来ます。転換線と基準線は均衡表を使って売買を考える場合に、もっとも使い勝手がよいと思いますので、まずはこれら二線の状態を確認することをおすすめします。
[2] 終値と先行スパン
二つ目は終値と先行スパンです。先行スパンはA、Bの二本からなり、通常は雲として塗りつぶされるため非常に目立ちます。均衡表というと雲に目が行くことが多いと思いますが、トレンドが強い場合はよいのですが、トレンドがはっきりしない場合、売買シグナルが後手に回ることも多いため、その点は注意が必要です。
終値と先行スパンも好転、逆転を見ますが、先行スパン2本を雲(ひとつの帯)として見ますので、終値が雲を上抜けた状態が好転で買いシグナル、終値が雲を下抜けた状態が逆転で売りシグナルとなります。終値が雲の間に位置している時は中立と考えてよいでしょう。
また、先行スパンも転換線や基準線と同様に、長期のサポート、レジスタンスとして見ることもできます。
[3] 終値と遅行スパン
三つ目は終値と遅行スパンです。遅行スパンは現在の終値そのものですから、過去の終値と現在の終値の比較、つまりモメンタムと全く同じことになります。
一般的には、遅行スパンが26日前の終値より下にあれば売り、26日前の終値より上にあれば買いということになりますが、転換線と基準線、終値と先行スパンの視点が現在にあるのに、この遅行スパンだけは視点が過去にあることになります。そこでモメンタムと同様に、終値を26日先に先行させて、先行遅行スパンとして見たほうが視点が統一されて見やすいというのが私の均衡表の使い方です。
さきほどのドル円1時間足チャートをもう一度出してみます。こちらは遅行スパンが先行遅行スパンになっています。



均衡表と移動平均線を表示し、移動平均線は1期間(=終値)で26期間先行表示させています。
いかがでしょうか?縦カーソルの位置(現在の視点)で、均衡表各線の位置関係や状態を確認することができますので、見やすくなるのではないかと思います。Forex.comの「日刊テクニカル分析」で私が使っている均衡表でも遅行スパンは先行遅行スパンを使っていますので、お読みいただいている方にはあまり違和感がないかもしれませんね。
さて、これら3つのグループ、[1] 転換線と基準線、[2] 終値と先行スパン、[3] 終値と遅行スパン、を三役と呼びます。三役ともに同じ方向の時にトレンドが強いということになりますが、上記のチャートの最後の足では、転換線と基準線は逆転(転換線<基準線)、終値と雲は逆転(終値<2つの先行スパン)、終値と先行遅行スパンは逆転(終値<先行遅行スパン)と三役とも逆転、つまりドル安・円高のトレンドが強いという例になっています。
一目均衡表では、通常パラメータを変更することは稀ですが、海外を中心にパラメータを短期化して利用する人も少なからずいます。というのも、均衡表が開発された当時の東京証券取引所では土曜日も取引されており1ヵ月の営業日が現在より5日ほど長い26日でした。均衡表の基準線が26期間となっていることから、これを21~22期間とし、それにあわせて転換線を7期間、先行スパンBの計算期間を42~44期間とするものです。Forex.comの売買戦略レポートの著者であるビンセント・リー氏は、7, 22, 44期間を彼の均衡表で使っています。
他にも一目均衡表ではN波動をベースにした値幅観測、基本数値、対等数値をベースにした日柄観測といった見方もありますが、ここでは値幅観測をするための計算ツール(Java)を置いたサイトを紹介するのみにとどめておきます。
均衡表値幅観測計算ツール http://www.ascendant.jp/calc.htm
平均足も日本発のテクニカル分析ツールです。MT4ではチャートの表示方法に、ラインチャート、バーチャート、ローソク足の3種類がありますが、平均足はカスタム指標の中にHeiken Ashi(ヘイケンアシ?どうも日本のテクニカル指標は誤った表記になりがちですが、これもご愛嬌)としてデフォルトで入っています。平均足は加工したローソク足で、以下のような計算で求められます。比較のため、左側にローソク足の四本値、右側に平均足の四本値を書いてあります。
| ローソク足 | 平均足 |
| 始値 | 前日平均足始値と前日平均足終値の平均値 |
| 高値 | ローソク足の高値 |
| 安値 | ローソク足の安値 |
| 終値 | ローソク足四本値の平均値 |
平均足と言っても、高値、安値はそのままですし、終値も四本値の平均値ですからすぐにおわかりいただけると思いますが、ややこしいのが始値です。前日平均足始値と前日平均足終値の平均値(平均足実体の中間値)と言ってもDay 1(前日が存在しないチャート上の初日)はどうするのかという問題があります。そこで、Day 1のみ始値にも終値と同じローソク足四本値の平均値を使ってスタートします。
以下の例をご覧ください。

Day 1のみ平均足は始値も終値もローソク足四本値の平均値を用いて、翌日以降は普通に計算します。これをチャートに表示するとどのようになるでしょうか。次のユーロドル1時間足チャートをご覧ください

上段が普通のローソク足、下段が平均足です。見やすくするためにどちらも上昇を黄緑、下降を赤として、平均足のチャートでは元々のローソク足をラインチャートに変えた上で非表示とすることでシンプルな平均足表示としてあります。


MT4ではパラメータのほとんどを変更することが可能なため、ちょっと工夫するだけでかなり見やすいチャートにすることが出来ます。
比べてみると一目瞭然ですが、平均足では上昇、下降とも陰陽の変化が少なくトレンドが見やすくなっています。チャートの中ほどで押しが入ってからの上昇局面では通常のローソク足では陽線の間に頻繁に陰線が入り込んでいますが、平均足では陽線が連続していることがわかります。
平均足の見方は以下の5つにまとめることが出来ます。
- (1) 陽線は買い、陰線は売り [基本ルール]
- (2) 陽線+上ヒゲ は強い買い、陰線+下ヒゲ は強い売り
- (3) 陽線+下ヒゲ は買いにかげり、陰線+上ヒゲ は売りにかげり
- (4) 前日の実体より短い実体は変化の兆し
- (5) 非常に短い実体(同事線)はトレンドの変化
上のチャートを見る限り、(1)の基本ルールだけでも十分だと思えてしまいますが、通常のローソク足とは異なる(2)、(3)のルールや、通常のローソク足と共通な(4)、(5)のルールを併用すると幅がひろがります。次のチャートは豪ドルドルの1時間足チャートですが、上昇トレンドの中で(2)の足型が(3)や(4)に変化し、時折陰転しながらも陽線へと戻していくチャートとなっています。

なお、平均足はあくまでも加工したローソク足でトレンドを判断するためのチャートです。平均足で示されるレートと実際のマーケットレートが異なるという点だけは気を付けてください。
一目均衡表の項で紹介した私の「日刊テクニカル分析」ですが、均衡表の遅行スパンが先行遅行スパンであることに加えてローソク足も平均足となっています。トレンド系のテクニカル指標を2つ組み合わせているわけですが、均衡表で中期的なトレンドを見ながら、平均足で短期的な変化を読んでいます。MT4ではザラ場でのチャートで見てみることをおすすめします。以下はドル円の4時間足チャートです。

オシレータ系指標の特徴というと、第一にサブチャートに表示されるものが多いということでしょう。サブチャートに表示されるため、0~100の目盛り、あるいは0を中心に±の目盛りを持つものが一般的です。またオシレータ系指標というと、一般論として他のテクニカル指標と併用されることが多く、もみあいのマーケットで買われ過ぎや売られ過ぎの判断に強みを持つと言われます。
しかし、オシレータ系指標と言ってもトレンド系(順張り)として使う場合もありますし、いわゆるオシレータ系(逆張り)として使う場合もありますので、ここではサブチャートに表示するテクニカル指標の中から代表的なものとして、RSI、ストキャスティクス、CCIの3つを取り上げることにします。
→RSI(Relative Strength Index)
まずはRSIのチャートをご覧ください。これはスイス円の1時間足チャートに8期間のRSIを表示したものです。買われ過ぎの目安として70、売られ過ぎの目安として30のレベル表示をしてあります。


さて、このスイス円のRSIで具体的に買われ過ぎ、売られ過ぎというのはどこでしょう。
よく、チャートの説明でこのあたりと結構広い範囲を示していることがありますが、それでは困りますので、買われ過ぎ、売られ過ぎをピンポイントで示す考え方を紹介します。

この図はRSIの動きを模式化したもので、赤い線が上側から順に70, 50, 30のレベルということにしましょう。この時、黄色で塗った部分が買われすぎゾーン(70以上)、売られすぎゾーン(30以下)となります。このゾーンに入るポイント(四角で囲った部分)をゾーン・エントリーと呼び、このゾーンから出るポイント(丸で囲った部分)をゾーン・エグジットと呼びます。
ピンポイントで示す時には、このゾーン・エグジットを使います。先ほどのスイス円チャートに、このゾーン・エグジット(赤い丸で囲った部分)を示したチャートが以下のチャートです。

一番右のように売られ過ぎゾーンでの滞在期間が長い場合に、有効な考え方と言えるでしょう。
他にもRSIの見方としては、順張りの使い方があり、これは50ラインの上抜けで順張りの買い、下抜けで順張りの売りというものです。先ほどの模式化した図では中央の50ラインの横に矢印を示してありますので、実際のチャートにあてはめて見てみるとわかりやすいでしょう。比較的使いやすい考え方です。
また、短期と長期2本のRSIを使う手法もありますが、2本のRSIを使うよりはRSIとその移動平均線を使う方がより一般的です。MT4ではテクニカル指標の移動平均線を簡単に表示することが出来ます。上のスイス円のRSIの場合でしたら、左側のナビゲーター・ペインからMoving AverageをRSIのサブチャート上にドラッグ&ドロップするだけです。その際に、以下のようにPrevious Indicator’s Dataを選択すればよいわけです。ここでは、移動平均線の期間を3期間としましたが、ストキャスティクスのような使い方をすることができます。


また、RSIでもダイバージェンスを見ることがありますが、これについては次のストキャスティクスの%Dで使うほうが使い勝手が良いと思いますので、そちらで詳しく説明することにします。
→ストキャスティクス(Stochastic Oscillator)
ストキャスティクスもサブチャートに表示するテクニカル指標としてRSI同様に有名ですね。次のチャートはカナダ円の1時間足チャートのストキャスティクスを表示したものです。MT4ではStochastic Oscillator という名前です。ここでのパラメータは、各計算値全てに5期間を指定し、レベル表示は70と30としました。

ストキャスティクスは3本の線(%K, &D, Slow %D)で示されますが、チャートでは、その内の2本の線が示されています。緑の線が%Dで、赤の線がSlow %Dです。これら2本で示されるストキャスティクスは、通常スロー・ストキャスティクスと呼ばれますが、主な見方としては以下のようなものがあります。
- (1) %D(あるいはSlow %D)1本で買われ過ぎ、売られ過ぎを見る=ゾーン・エグジット
- (2) 水準に関係なく%DとSlow %Dのゴールデン・クロス)で買い、デッド・クロスで売り
- (3) 売られ過ぎゾーンのゴールデン・クロスで買い、買われ過ぎゾーンのデッド・クロスで売り
- (4) %Dのダイバージェンス
最も一般的な見方は(3)の見方でしょう。上記カナダ円のチャートにおいて、30以下で起きているゴールデン・クロスと70以上で起きているデッド・クロスを探してみてください。答えは以下のチャートです。

水色でマークしてある場所がゴールデン・クロスによる買いと、デッド・クロスによる売りの個所となっています。
さて、ここでは(4)の%Dのダイバージェンスについて詳しく見てみることにしましょう。ダイバージェンスには通常のダイバージェンスと隠れたダイバージェンスの2つがあります。言葉で説明すると、次のようになります。
ダイバージェンス:
価格が以前の安値よりも安い安値を付けたのに対し、%Dはより高い数値を付けた時に買い。価格が以前の高値よりも高い高値を付けたのに対し、%Dがより低い数値を付けた時は売り。
隠れたダイバージェンス:
価格が以前の安値よりも高い安値を付けたのに対し、%Dがより低い数値を付けた時に買い。価格が以前の高値よりも安い高値を付けたのに対し、%Dがより高い数値を付けた時は売り。
こう書いてあってすぐにわかるようでしたら大変な国語力だと思いますし、通常のダイバージェンスと隠れたダイバージェンスを分けるよりも、買いのダイバージェンスと売りのダイバージェンスに分けたほうがはるかに使い勝手がよいのでここでは買いと売りのダイバージェンスの見つけ方を書くことにします。
次の図をご覧ください。

先の文章で言うとピンクの線が「ダイバージェンス」、青い線が「隠れたダイバージェンス」となりますが、ここでは左半分が「買いのダイバージェンス」、右半分が「売りのダイバージェンス」を示していると覚えてください。ちなみに上半分が価格の動き、下半分が%Dの動きを示しています。
買いのダイバージェンスは、まず%Dの2つの谷を探します。その2つの谷の下側にサポート・ラインを引いてみてください。そして、その%Dの2つの谷に対応する価格の安値にもサポート・ラインを引いてみてください。通常は同じ方向を向いていますが、上図のように方向性が違う場合があり、これが買いのダイバージェンスです。
売りのダイバージェンスは、まず%Dの2つの山を探します。その2つの山の上側にレジスタンス・ラインを引いてみてください。そして、その%Dの2つの山に対応する価格の高値にもレジスタンス・ラインを引いてみてください。通常は同じ方向を向いていますが、上図のように方向性が違う場合があり、これが売りのダイバージェンスです。
ポイントは、まず%Dの谷、山を探すこと。そして、それに対応する価格の安値と高値を探すことです。買いのダイバージェンスは必ず下側にラインが、売りのダイバージェンスでは必ず上側にラインがあり、価格のラインではライン間を抜けるバーがあっても構いません。あくまでも2点間の方向性のみに着目します。
先ほどのチャートで%Dのみ表示してダイバージェンスが起きている個所にラインを引いたのが次のチャートとなります。

買いと売り、それぞれ一か所のみであまり良い例ではありませんが、ダイバージェンスが起きた場合、バーの数2~3本で利食えることが多いですから、知っておくと便利な手法です。
→CCI(Commodity Chanel Index)
オシレータ系指標の最後にCCIを取り上げてみます。次のチャートはユーロドルの4時間足に14期間のCCIを表示したものです。0ラインを中心に±100と±200にレベル表示をして、上下の表示幅を±300とすることで、上下の動きをわかりやすくしてあります。

CCIの一般的な見方としては、
- (1) ゼロ・ラインを超えたら順張りでエントリー
- (2) ゼロ・ラインを中心に±100を超えたらエントリー、±100に戻ったらエグジット
の2つが代表的な見方となりますが、ここでは(2)の見方を取り上げ、その例をチャート上に表示してみましょう。

左側が売りのエントリーとエグジット、右側が買いのエントリーとエグジットの例となります。
また一般的な見方ではありませんが、CCIにはゼロ・ライン・リジェクト(ZLR)という見方もあり、なかなか使い勝手がよいので紹介しておきます。ZLRとは簡単に言うとCCIがゼロ・ラインに到達後すぐに、あるいは近づきそうになってすぐに反転する状態を示します。
ここでは方向性を示すトレンド・インディケーターとして34期間のEMAを表示し、そのEMAの傾きに沿ったZLRを見てみましょう。ZLRの発生をわかりやすくするために、6期間のCCIも追加します。先ほどのチャートを拡大してEMAを加え、ZLRが起きている場所を青い丸で囲ってみます。

丸で囲ったところを見るとわかりますが、6期間CCI(青)と14期間CCI(紫)の動きの変化に着目してください。6期間CCIは大きくゼロ・ラインを下抜けしていますが、14期間はワンタッチ、もしくは近づきそうになってすぐに反転しています。これらが典型的なゼロ・ライン・リジェクト(ZLR)のパターンです。34期間のEMAは上昇していますので、ZLRがおきた次のバー(青い四角で囲んだバー)が買いのバーとなります。
他にもオシレータ系のテクニカル指標は数多く備わっていますが、今回はこのあたりにしておきます。
MT4を使っていると気になるのが「ビル・ウィリアムズの指標群」ではないかと思います。多くのテクニカル指標の中でビル・ウィリアムズという項目が単独で存在し、その中に6つのテクニカル指標があります。ビル・ウィリアムズの指標群だけ特別扱いされているように感じますね。
テクニカル指標を数多く開発した人の中でもビル・ウィリアムズ博士は比較的新しい時代の指標開発者です。MT4に備わる6つの指標は、彼の著作TRADING CHAOSの中で紹介されている指標です。指標自体はそれほど複雑なものではなく、既存の指標をベースに開発された指標と言えるでしょう。
ここでは、ビル・ウィリアムズの指標群を順を追って説明して行くことにします。
→フラクタル(Fractals)
「フラクタル」はスイングHLポイントと同じものですが、両側のバーの本数が2本に固定されています。UPフラクタルは、両側により安い高値が2本ずつある高値で、DOWNフラクタルは両側により高い安値が2本ずつある安値、というのが定義です。
次のチャートは、ドル円の4時間足にフラクタルを表示させたものです。

目立った高値、安値にマークがついていることがわかります。より上位の時間枠(4時間足から見ると日足以上の時間枠)でフラクタルを表示させ、下位の時間枠(ここでは4時間足)と共通のフラクタルがあれば、そのフラクタルはより強力なフラクタルと言えます。例としてチャート中ほどの83.97を付けたUPフラクタルは強力なフラクタル、つまり特に目立った高値ということが出来るわけです。
フラクタルの基本的な考え方としては、前回の同じ方向のフラクタルを抜けたら順張りで売買を行うことがベースになりますが、次に紹介するアリゲータの中期ラインを抜けてからという使い方が推奨されています。
また、フラクタルの2点間にトレンドラインを引く使い方も便利です。ひょっとすると、こちらのほうが一般的には使われているかもしれません。
→アリゲータ(Alligator)
アリゲータは3本の先行させた平滑平均線(Smoothed)です。3本はそれぞれ、短期線(緑)が5期間を3期間先行、中期線(赤)が8期間を5期間先行、長期線(青)が13期間を8期間先行させた平滑平均線です。計算のベースはMedian(高値と安値の中間値)となっています。
先ほどのチャートにアリゲータを加えてみます。

見方としては、3本の線が収束している状態から拡散し始めた時に順張りが基本です。たとえば上のチャートでは中央近くで3本の線が収束し、その後下放れしていきます。このケースではDOWNフラクタル(安値)の下抜けが出ていないため、明確なエントリーのポイントはわかりにくいのですが、そのような場合には次のゲーター・オシレータの併用がよいでしょう。
→ゲーター・オシレータ(Gator Oscillator)
「ゲーター・オシレータ」は、アリゲータの各線の差(長期-中期、長期-短期)をベースに表示されたオシレータで、アリゲータの収束と拡散をわかりやすくするための指標です。また、色分けされた緑は上昇トレンドを、赤は下降トレンドを示しています。
先ほどのチャートにゲーター・オシレータも追加してみます。

ゲーター・オシレータの色分けはあまり気にせず、オシレータが0付近で収束している場所を確認した上で、アリゲータの方向性に乗るか、同じ方向のフラクタルを抜けた流れに乗るといったところでしょうか。
フラクタル、アリゲータ、ゲーター・オシレータと3つの指標を見ながら複合的に判断するというのが基本であるということはわかるのですが、個人的にはフラクタルは典型的な高値・安値を見つける際に、アリゲータはシンプルに3本の移動平均線の代わりに使う方が使い勝手がよいのではないかと思うのですがいかがでしょうか。
→オーサム・オシレータ(Awesome Oscillator)
「オーサム・オシレータ」は、計算のベースにMedian(高値と安値の中間値)を使い単純移動平均の差で示したMACDと思って間違いありません。期間は5期間と34期間ですから、2本の移動平均線とオーサム・オシレータを併せて表示させてみます。

2本の移動平均線のゴールデン・クロスがオーサム・オシレータのゼロ・ライン上抜け、デッド・クロスがオーサム・オシレータの下抜けで表示されていることがわかりますね。つまり、オーサム・オシレータでは、ゼロ・ラインの上抜けは買い、ゼロ・ラインの下抜けは売りというのが基本となります。
また、オシレータが上側にある時にオシレータが緑から赤に転じたら上昇に陰りが出てきたことを示し、オシレータが下側にある時にオシレータが赤から緑に転じたら下降に陰りが出てきたことを示します。
これまでの指標に比べるとシンプルかつ見やすい指標だと思います。このオーサム・オシレータには他にもソーサー・シグナル、ダイバージェンスといった見方がありますが、ここでは最も基本的な見方のみにしておきます。
→アクセラレータ・オシレータ(Accelerator Oscillator)
「アクセラレータ・オシレータ」はオーサム・オシレータを加工したもので、オーサム・オシレータから、オシレータの5期間の平均を引いた値を取ります。先ほどのチャートに更にアクセラレータ・オシレータを加えてみましょう。

下段がアクセラレータ・オシレータですが、比較的頻繁に上下に振れる指標です。
見方は、ゼロ・ラインの下側で緑が2本続いたらその次で買い、ゼロ・ラインの上側で赤が2本続いたらその次で売りというのが基本となります。また、オシレータが上側にある時にオシレータが緑から赤に転じたら上昇に陰りが出てきたことを示し、オシレータが下側にある時にオシレータが赤から緑に転じたら下降に陰りが出てきたことを示すのはオーサム・オシレータと同じです。
オーサム・オシレータで中期的な流れを見た上で、アクセラレータ・オシレータで短期的な押しや戻し、また転換の兆しを探るといった使い方が現実的だと思われます。
→マーケット・ファシリティ・インデックス(Market Facilitation Index)
「マーケット・ファシリティ・インデックス」は頭文字がMFIでマネー・フロー・インデックスと同じため混同しがちですが、どちらも出来高系の指標という点では共通点があります。ビル・ウィリアムズのMFI(マーケット・ファシリティ・インデックス)は、インデックス(= 係数×((高値+安値)/2)/出来高)と出来高の2つから4つのパターンで表示される指標です。
次のチャートはドル円の1時間足にMFIを表示したものです。

MFIには4つのパターン(色)がありますが、色分けの基準は以下の通りです。
| 黄緑: | インデックス上昇+出来高増加 = トレンドが出ている |
| 茶色: | インデックス下降+出来高減少 = トレンドの終わり |
| 青: | インデックス上昇+出来高減少 = スペキュレーションの動き |
| ピンク: | インデックス下降+出来高増加 = 様子見 |
かなり頻繁にパターンが変化するため、あまり使いやすい指標とは思えませんが、そもそもFXと出来高系の指標はなじみませんし、MT4の場合は出来高の代わりにティックの変化(レートの変化の回数)を使っているため、このMFI自体が適していない可能性もあります。他の指標と併用すればもう少し使いやすくなるかもしれませんが、今後の研究材料にとどめておきます。
さて、移動平均線からビル・ウィリアムズの指標群まで紹介してきましたが、MT4セミナーで扱ってきた内容の一部に過ぎません。また機会を見て、他の内容も扱いたいと思います。次回は、オンラインセミナーでお会いできることを楽しみにしています。
2011年2月 山中康司
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